ブエノスでの話。
向こうに遊学中に世界中の女性とも知り合い、儚い恋にも落ちた。
丁度寒くなるちょっと前に、フランスのソフィーという女性と仲良くなった。
踊りがとても合ったんだ。とても楽しかった。しかしそんな時間はながくは続かず、
ある日二人の踊りが淡白になり全然楽しい物ではなくなった。
電話をかけ聞いてみたら
「あなたと私は踊りのスタイルが違うの。」
あっさりした物だった。
次の日、別の男とミロンガで仲良くしていた。
ショックだった。胸の中に重く黒々した液体が湧き出てきた。
その上、頭を重いハンマーで殴られたように身体が鉛みたいに動かなくなった。
2〜3日後、
その日の夜もまだ引きずってミロンガで隅の壁際で落ち込んでいたら、
彼女の友人が僕をわざわざ踊りに誘いに来てくれた。
そして一曲終わった後
「あなたの踊りは最高だわ」と微笑みながら耳元で囁き
もう一曲踊ってくれた。
救われた気がした。
彼女はガビートも笑顔で袖にできる女で
ミロンガやレッスンに彼女がいると場が和んだりした。
その時その彼女がつき合ってた
男からも憧れるような男とつき合っていた。
そいつにある日
「GYU,この楽団が最高だ。」
と教えてもらった曲が
Lucio Demareだ。
GYU
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